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中島完 茶箱展

縁起がよいとされる理由はいろいろあるけれど、
くびれた独特な形も愛嬌がある瓢箪。
今回の展示会ではこの瓢箪をテーマにした茶箱を作ってくださいました。
箱のなかに収まっている道具には小さなストーリーがちりばめられています。



同時開催企画  ロンダの妄想茶道具小品展

あったらいいなを叶えてしまおうというこの妄想茶道具小品展は
カッコよくて可愛くて世界にひとつだけのとっておきがテーマです。
現代作家が提案する茶道具と新しいものや古いもの、外国のものや
チープなものも取り混ぜてゆるい感覚で楽しんで頂けたら幸いです。
ぜひ中島完茶箱展とあわせてお楽しみくださいませ。

参加作家
天野ミサ(彫金)、大桃沙織(金工)、加藤キナ(鹿角細工)
伯兆(蒔絵)、村瀬可衣(ステンドグラス)、山本景子(木工)

両展示会の日程
2022年11月12日(土)~11月26日(土) 12~19時
※14日、21日は休み
※日曜、最終日は18時まで






中島さんの仕覆付篭と茶道具、加藤キナさんの角杓「やなぎのは」。

今回で3回めとなった中島完茶箱展。
中島さんの小さな茶箱がすべての始りで妄想に繋がります。
掌ほどの箱の中に茶碗、小壷、茶杓、茶筅、振出などの茶道具が
ぎゅっと収まる姿はいくつになっても乙女の心を持つ者の
ハートを鷲づかみにしてしまいます。

道具の組合せ次第でどんどん広がっていく茶箱の世界。
おもちゃを与えられた子どものように飽きることなくのめり込んでしまう
危険な茶箱沼に何人の方がはまってしまったことでしょう。
店主の私がそのひとりであることは隠しようがありませんが
この沼、まだ底がないようです(笑)








店主の妄想から始まったロンダの妄想茶道具小品展はどの作品も
趣向を凝らした世の中にひとつしかない逸品揃いです。
今展に集まった作品をすべてをご紹介できずにとても残念!
少しですがこちらで作品の一部をご覧ください。

作品をご購入頂きましたお客様、最終日までお預かりさせて頂きまして
ありがとうございました。
おかげで会期最終日までたくさんの方に作品をみて頂くことができ
とても感謝しています。
妄想の旅はまだ当分続きそうです。
どうぞお付き合い頂けたら嬉しく思います。




中島さんの少しプリミティブな趣の茶道具に
大桃さんの真鍮の茶杓と山本さんの高台皿をあわせて
一番簡単なお茶のスタイル盆略手前。
轡型の茶碗はお茶を点てる際には長い方を正面にして使います。
一見お茶を点てるにが難しそうに見えますが意外と点て易くおすすめです。





妄想④「インコの夢」
鳥かごのなかで暮らすインコにとって猫の風くんは気になる存在。
あるうは自由気ままに生きているようにみえる猫を羨ましく
思っているのかもしれません。
風くんのほうもきれいなスカイブルーの羽にそっと触れてみたいと思っています。
気になるもの同士いつか友達になれたらいいね。

茶碗、小壷、振出、茶巾入、袋付茶杓:中島完さん
銀の茶杓:「インコ」「風」天野ミサさん

天野さんの猫の茶杓「風」はご売約済です。
お客様のご了承を得て会期中はギャラリーでご覧頂けます。





茶碗に小壷、振出に茶巾入と中島さんの瓢箪尽くし。
今回の茶箱展は「瓢箪」がひとつのテーマになっておりまして
瓢箪形のさまざまな茶道具も多数ご紹介しています。
よく見ると小壷の蓋に、茶巾入の留め具になんていうのもございます。
3つ揃えば三瓢子(拍子)、6つで六瓢(無病)息災、
たくさん揃えば立身出世の千成瓢箪と縁起がいいと言われる瓢箪。
茶箱のなかの瓢箪を数えて遊ぶのもまた一興です。
それにしても瓢箪でこんなに作れてしまうなんて、中島さんすごい!



今展でご好評頂いている山本景子さんの瓢箪の茶箱。
木工作家の山本さんはここ数年漆の加飾に積極的に取り組んでいて
瓢箪茶箱でもテクスチャや金属粉を使用した色の出し方にも現れています。
DMは中の道具を組んでいましたが道具を取替えて自由に組んで頂けます。
お手持ちのものでご検討の際はご持参頂けるとよいかと思います。

山本さんの作品は他にも茶筅筒や台皿、盆などご紹介しています。




伯兆さんの蒔絵茶杓「宝石」と「綿毛」。
「宝石」は螺鈿のキラキラがクリスマスシーズンにぴったりかと。
添えるお菓子は宝石のような琥珀糖が良いなぁ。

冬季扱いの筒茶碗は蒲公英色、綿毛の茶杓をあわせて
英国の詩人シェリーの西風の賦の一節「冬来たりなば春遠からじ」なんてね。



村瀬可衣さんのステンドグラスの燭台「雪の結晶」。
日没が早いこの頃、室内の照明を落とし蝋燭の小さな炎の揺らぎのなかで
頂く一服も味わいのあるものです。





妄想③「ある朝の風景」
外の世界を謳歌している自由な猫ちゃんの日課は朝の散歩。
今日も縄張りにしている街を風のふくまま気の向くまま散策していたら
ある家の窓にふと目が留まります。
窓のなかではごはんを食べている親子の姿。
その様子をみた猫ちゃん、急に家に帰りたくなってしまいました。
飼い主さんが恋しくなったのか、お腹がすいたのか。
それにしても猫は自由な生き物ですね、家に着くなり青いソファーで
ゆったりお茶を楽しんでいるようですよ。

茶碗、小壷、振出:中島完さん
茶巾箱に見立てたティン缶:店主私物

天野ミサさんの猫の茶杓「朝の散歩」はご売約済です。
お客様のご了承を得て会期中はギャラリーでご覧頂けます。



中島完さんの小さな茶道具にあわせて特注で仕立てた野点用茶筅は
奈良県の高山茶筌久保駒吉商店のものです。
中島さんの紙胎漆器の茶筅筒、山本さんの乾漆の茶筅筒、大桃さんの
茶筅筒は打出しの金工。どれにも気持ちよく収まります。
筒の高さや径のサイズは異なりますので合いますので
箱のサイズやお好みに合わせてお選びください。
※茶筅は別売です。




八角形の茶碗、五角形の茶巾筒。
縁起のいい数字の取り合せに、古い和更紗の古帛紗をそえて。



妄想茶道具では個人的に収集した日本や外国の古布をつかった
小さな古帛紗、大津袋を作りご紹介しています。
古帛紗は中島さんの茶道具に合わせて80%に縮小したもの、
大津袋は小壷などが入るサイズに仕立てました。
やはり雰囲気のよい布が入るとぐっと茶道具が可愛くみえます。
裂地は古布を使用していますが縫製は恐縮ですが素人仕事、
ご了承のほどお願いいたします。





蒔絵師伯兆さんの小棗「聖夜」と茶杓「聖夜」。
通っていた茶道教室はこの時期に先生お気に入りのリースが描かれた棗
がよく登場しました。それを使わせて頂くと楽しい気持ちが伝わってきて
今回伯兆さんに聖夜をイメージした小棗をリクエストさせて頂いたところ
物語がふくらむ素敵な作品に仕立ててくださいました。

東方の三賢者をキリストが生まれたベツレヘムまで導いた星は
ベツレヘムの星と呼ばれています。
螺鈿をほどこした大きな星は聖なる星。
ヤドリギはクリスマスに欠かせない植物、小さな星たちと一緒に
リースに仕立てて棗を飾りました。

棗の材は梅。
小棗「聖夜」茶杓「聖夜」はご売約済です。




妄想②「冬の水辺」
立冬を過ぎ外濠にも冬鳥たちが帰ってきました。
カモが追う魚の群れをシラサギも狙っているのでしょうか。
冬羽になるとサギの嘴が黄色に変わるって知ってます?
じっと佇むシラサギの姿、品を感じます。

茶碗、小壷、振出、茶巾入:中島完さん
茶杓:「白鷺」天野ミサさん



中島さんのトリの振出にぴったりなお菓子は初穂製菓さんの「想」(そう)。
魚の形のほかにも小さな姿あられがいろいろあるようです。
もちろん振り出せます。

黄色の栓の振出のみご売約済です。





加藤キナさんの鹿角の替蓋「瓢鮎」、角杓「茶瓢」。
替蓋は事前にキナさんに選んで頂いた中島さんの小壷に合わせて
今展用に3点制作していただきました。

「瓢鮎」(ひょうねん)は室町時代の将軍と禅の高僧との禅問答を題材と
しています。如拙筆による国宝瓢鮎図でご存じの方も多いのでは。
瓢箪で沼底のナマズ(鮎)を捉えるという突拍子もない禅の公案を
たった数cmの小蓋のなかに想像力豊かに表現してくださいました。
表には瓢箪がぷかぷか、裏をかえすとナマズ!
中島さんの小壷とぴったり似合います。

合わせた茶杓はキナさんの角杓「茶瓢」、侘茶の祖村田珠光の銘茶瓢を
オマージュした作品で、どちらも鹿角はヤシャブシで染めています。

替蓋、角杓、小壷、茶碗ともにご売約済です。
孵蓋、角杓は会期中ギャラリーでご覧頂けます。





今回の妄想茶道具展が初お披露目。
素材の美しさや自然なままの色、形状を活かして作られた加藤キナさんの角杓。
頭のなかにあるイメージを素材に落とし込む、同時に作為が及ぶことのない
方向へ自然と手が動き完成へと導かれる、そんな角杓作りだったと言います。

鳥の角杓、偶然にも四季が揃いました。
春:鳩 たなごころ
夏:芽吹 つばめ
秋:四十雀 みのり
冬:白鳥 つぼみ

「芽吹きつばめ」「白鳥つぼみ」はご売約済です。
会期中はギャラリーでご覧頂けます。






中島さんのとりわけ小さい正方形の茶碗に大桃沙織さんの打出し茶筅筒と
茶巾筒で渋可愛い取合せをイメージ。
茶碗と筒たちが強めなのでほかは控えめ、まだ検討の余地がありそうです。

茶筅筒と茶巾筒はへだて的に作った金糸の刺繍がポイントの
古いシルクの裂地で包みました。
十字型のへだてを思いついて作りましたがこんな形はどうでしょうね...。
でも意外と茶碗でもなんでも上手く包めるので自分的にはOKです。
妄想ですからその辺はあれで(笑)

茶碗、茶杓、小壷、菓子器:中島完さん
茶筅筒、茶巾筒:大桃沙織さん
裂地:店主私物





店主の妄想につきお小言や細かいことは言いっこなしでお願いします。

妄想①「幸福な王子」
優しい王子の銅像は持てる全てを貧しい人々に分け与えました。
王子を手伝うのは南に行きそびれた越冬つばめ、
そして寒い冬がやって来てついに力尽きたつばめは死に
その瞬間王子の鉛の心臓もふたつに割れてしまいます。

オスカー・ワイルドの幸福な王子、自己犠牲的な話ですが
最後は天国の庭で王子とつばめは幸せに暮らしますのでご安心ください。

中島完さんの漆継ぎした楽焼焼成の茶碗は王子の心臓、
青い小壷は王子の瞳のサファイヤ。
天野ミサさんの純銀の茶杓は心優しい越冬つばめ。

盆:山本景子さんのリム皿
茶巾箱、銅皿:大桃沙織さん
振出し:中島完さん
天野ミサさんのつばめの茶杓はご売約済です。
お客様のご了承を得て会期中はギャラリーでご覧いただけます。






中島さんの茶箱展と妄想茶道具展が今年も始りました。
小さな茶道具と自由な茶道具との取合せが織りなすハーモニーを
どうぞお楽しみください。